天はやはり二物を与えてはくれぬのだ

love-guitar2009-02-14

その日の私は、気分が高揚してゐた。久しぶりに女中服(もしくは給仕服)を着てやらむと計画を練つてゐたからだ。私は風呂に浸かりながら、居間にゐる恋人に「例の服はどこか?」などと空々しく話しかけてゐた。

風呂からあがると恋人は既に布地の薄い真つ白な、畳み皺のついた看護服を着て私を待つてゐた。私が驚ゐた顔をすると「先程、例の服をお探しのやうでしたから。」と言う。しかし、折角の看護服も脛毛が見ゑてゐては台無しだ。私は持参した薄手の女性用股引き(すとつきんぐ、と言うらしゐ)を手渡した。
恋人が股引きを履くと、男性とは思ゑぬやうな美しゐ脚となつた。これでは女性である私の面目は丸つぶれである。(写真参照)