河童と神と私の母

「せっかくだから、彼氏と海とか遠野とか行ってきたら?」というお母様のヒトコトで、仙台に帰る前にナベケンとドライブデートすることが決まった。海は大好きだけどハイシーズンだから駐車場料金取られるし、きっと家族連れで混んでいるだろう。遠野はおとといのバスの中でも柳田翁の話なんかをしていたので、やはりここは遠野につれて行くべきだろう。そんなわけで、ナベケンを私の運転する暴走車(ミニカ)に無理やり押し込んで新仙人道路をぶっとばして・・・行こうと思ったら、遅い車が先頭を走っていてあんまり意味ねぇ!!高規格道路だから追い越し不可能なんだよな。軽トラとか軽ワゴンの多い地域の高規格道路はキツイよ・・・。

時間もないのでいきなりメインのカッパ淵。淵ってほど深いわけではないんだけど、遠野の用水路は異常なほどきれい。水草が生えるくらい透明!!
特産品のホップ畑を眺めつつ、北川家を目指す。本物のオシラサマが見れるようなので興味津々。が、そこにたどり着いても一向に看板もなにも見当たらない。「もしや民家なのでは?」とナベケン。ふと、近所の民家の表札を見ると書いてありましたよ。「北川」と。かつて北川家で祭られていたオシラサマを見れるところ、ではなくて現役で祭っているお宅のようだ。きっと看板もなにもないところをみると、事前に電話で予約とか、もしかしたら一般公開はしてないとかなのかもしれん。我々は取材でもなんでもなく興味本位なだけなので、北川家の見学はあきらめてコンセイサマを目指す。
コンセイサマ(金勢様)は男根の形の石神。近くには一対の陰陽石も祭られていた。何の神様なのかってーと、婦人病(とくに腰)を治してくれる神様らしい。境内にはなぜかコンセイサマスタンプが用意してあったりしてウケた。手帳とか持ってくればよかった!!

それはそうとして、生と死の象徴が祭られたり、死と再生の物語があったり、非常に興味深い土地だ遠野。薄いカルピスみたいなビアンラルクが売られていたり、多田勝彦ブランドがマジで美味かったり、農家が多いはずなのに週末は大盛況な道の駅「風の丘」があったり、魔境だよ魔境。

仙台行きのバスに乗らなくてはならないので、急いで私の実家に戻る。ナベケンとお母様が初めて相見える。お母様はテンションが上がったらしく、私の子供のころのアルバムを引っ張り出してきたりしていたが、なぜか世の母親という生き物は彼氏or彼女にアルバムを見せたくなるものらしい(ナベケンのお母様も然り)。でも「結婚が決まるまでウチに連れてこなくていいから」と言っていたお母様が喜んでナベケンを迎え入れてくれたのがなんだかうれしかった。