今日はちょっぴりマジメなお話

さっき、テレビでモンスターペイシェントの話を取り上げていたので、今日は
モンスターペイシェントのお話
でもしようかと思う。


モンスターペイシェントで、一番問題になるのはやはり暴言・暴力なのではないかと思う。そういったときに医療者サイドがどういった対応をするか?3割は何らかの医療者側へのケアなどの策を講じているようだが、じゃあ残り7割は何なのかといったら「仕方ないんじゃない?そういう人(患者さん)だから」で終わらせているのではないだろうか。近年は保険点数の関係で入院期間の短縮が推進されているため、「どうせすぐいなくなる人だから」なんて思っている病院も多いんじゃないかと推測できる。でもさ、その問題のある患者さんはすぐ退院するかもしれないけど、別のモンスターペイシェントが入院してくることだって十分ありうるし、それが問題なんじゃないかと思う。ちなみに私が所属している病院でも“患者さんからの暴力から身を守る”っつー講習会が行われていた。私はこれについて精神科だからなのかと思っていたけど、今日その話題を耳にして、そうではないんだと思った。

一般科(外来・入院問わず)においてモンスターペイシェントの生まれる背景はいくつか予想ができる。ひとつは医療不信。「このドクターが自分の症状をどこまでわかってくれるかわからない」「自分の困っていることを解決してくれるのか?」という不安が暴言、人によっては暴力にまで発展するのではないかと思う。つまり患者さんたちは今の医療に対して過剰な期待をしているのかもしれないということも考えられる。
また、自分の症状について非常に不安で、他人に気を配る余裕がない、非常にナーバスになり周囲のことに気が散って仕方ない、ということも考えられる。もしかしたら、身体だけではなく、金銭的な問題も原因に絡んでくる可能性も非常に高い。特に救急でかかる人、夜間診療(まぁ自力で受けられる救急みたいなもんだよな)、緊急入院、など突発的に病院にかからざるを得なかった患者さんは、そういった状況に陥りやすいんじゃないかと思う。
もうひとつ考えられるのは、非常に精神科領域に近いものがあるが、攻撃的な言動・行動でしか自分を表現できないということ。もともと自己主張の仕方に問題がある患者さんであるということも考えられる。



じゃあ、モンスターペイシェントについて病院側はどのように対処策を講じていくべきなのか?まず第一にすべきなのは身体の安全の確保ではないだろうか。医療者は(特に一般科は)患者サイドから意図的に自分に危害が加えられるかもしれないということを想定していない人がほとんどなのではないだろうか?自分が原因で患者さんや自分に被害がでることについては何年も前からもう対策が講じられて、ほとんど体制は整ったと言ってもいいかもしれない。なので、今度は患者サイドから自分の身を守るための体制作り(暴力の報告書なんかを作ってもいいのかもしれない)が早急に望まれる。

これは本当に個人的な印象なのだが、患者と医療者の間で何が問題で、何について不安があるかということについてどの程度話し合われているかということについて私は疑問を持っている。医師は症状や検査結果を診て診断、治療をする仕事であるから、医師に包括的な医療提供というものを求めても仕方ないと思っている。というか医師にそれを求めるのはあまりにも負担が大きすぎる。患者さんたちの不安や抱える問題について拾い上げて解決の手助けをするのは看護師、ケースワーカーの仕事だと思う。外来において、看護師と患者はどのくらい話をするだろう?名前を呼ばれて、注射や点滴を受けるくらいで話なんかほとんどしないだろう。近年では外来患者への相談室としてケースワーカーが外来に常駐している病院もあるが、それを利用している人、そもそもその存在を知っている患者さんはどのくらいいるのだろう?また、病棟においては看護師は業務に追われて患者さんの話を聞く時間なんかとれない、というのが現状ではないだろうか?医療を受けるのに不安や問題を抱えているのに、それを誰に相談したらいいかわからない患者さんにとっては「お前ら俺から金もらって仕事してんだろ?俺が満足するような仕事してねじゃねぇか!!ふざけんなよ。医者とか看護師とかそんなにえらいのかよ!!」となっても仕方ないような気がする。


私は精神科大好きだから、どうしても心の動きに注目して問題をみてしまうけど、でも、それも大事なんじゃないかなぁと思う。もうちょっと横のつながり(職種だけでなく、診療科ふくめて)をもってもいいんじゃないかと思うのでした。

この記事を書いてみて

学生のころ、リエゾンナースになりたいって思ってたけど、こういう問題がおきている現状を知って、リエゾンナースの必要性を強く感じたし、なりたいかもなぁーって思った。心のケアを必要としているのは精神科の患者さんに限ったことじゃないと思ったから。
ちなみに私の所属している病院では患者さん一人一人に担当ケアワーカーがつくけど、昔ちょぴっとだけ働いた総合病院ではワーカーさんなんて影もみえなかった。いや、いたんだろうけどさ。ケアワーカーさんってやっぱり金銭面での問題解決についてものすごい知識をもってるから、患者さんの抱えている問題を総合的に解決していくための橋渡しになりたいし、身体面以外での不安を解決の手助けができたら、私は医療従事者として幸せだなぁって思う。

ま、いったん看護職を退くから関係ないけど(笑)